堂本剛が名曲「ソメイヨシノ」にちなんだ桜の思い出を語り、震災被災者からの問いにも真摯に答える: ランダムビュー

堂本剛が名曲「ソメイヨシノ」にちなんだ桜の思い出を語り、震災被災者からの問いにも真摯に答える

2017年03月12日

ジャニーズ KinKi Kids 堂本剛堂本剛　ソメイヨシノ堂本剛とFashion & Music Book

3月11日のbayfm78の「堂本剛とFashion & Music Book」で、堂本剛はまず桜について、近年は桜を見ると切なくなることが増えたと語った。桜にちなんで剛は自身の名曲「ソメイヨシノ」（2006年、当時はENDLICHERI☆ENDLICHERI名義）をかけたが、曲紹介に当たり、この曲を書くきっかけとなった、母親と一緒に花見をしていつか母も亡くなるんだと初めて意識してショックを感じたエピソードに再び言及した。この曲は11年前の26歳の時にリリースされており、剛の歌声は今よりも若干尖った感じがある。次に、この放送回のオンエアが東日本大震災のあった3月11日だったため、剛は福島出身の被災者からのメッセージを紹介した。震災被災者に対する人々の言葉などについての意見を問う内容で、剛はBGMに「RAIN」（2009年、剛自身によるピアノ演奏のみの穏やかなインスト曲）をかけながら、かなり時間を割いて自身の考えを述べた。また、現在作っている新曲は、剛にとっては変ではないが、世間からは「『何なん、その歌？』ってたぶん言われる」タイプの曲かもしれないとのことだ。以下は番組での主な発言など。

桜や花について

「桜を見るといろんなことが甦ってくるなあみたいなことが、僕は多くなったな、という感じですね。小さい頃はそんなに気にはしていなかったですけどね。小さい頃は、通学路の池沿いであったり道沿いに桜の木がいっぱい生えていて風にさらわれながら地面に落ちて、ピンク色のじゅうたんになっている状態というか。その上を歩いて通学する。自分の誕生日も4月で近いしとか、いろんなことが集まっている時期なんですけど。小さい頃はもちろん普通に見てたものですけどね。年を重ねれば重ねるほど何かこう、想いを馳せる花になっていったなという」

「僕は生け花を独学でやっている。人様にプレゼンするために花を生けているわけではなくて、自分の部屋を彩るためであったりとか。花屋さんに花があるということは、その花というものは時間が経てば文字通り枯れていってしまうので。誰かが花を買いに来なければ、人間が手で採取した意味がなくなっていくのではないかみたいな気分もちょっとあったり。この春の季節になってくると、奈良の吉野のソメイヨシノが入っている店が結構ちらちら出てくるんですよね。枝ごと桜が入って来るんですけれども、蕾の状態で入って来て。枝の蕾の桜をお水につけておくと、時間が経てば部屋の中で桜が開花するんですが。この枝もそうですけど、人が採取するんで複雑な気分ではあるんですけど。でも、そこにそれがもうあるのなら、少しでも自分のエネルギーに変えていくことであったり、誰かにプレゼントをする時に、その人のことを想って、その花をディレクションして、こういう風に植えて欲しいとかって言って、楽屋に届けてもらうとか。そういうようなことをするところで、花との関わりがあるんですけど」

「桜を見て切ないことのほうが増えちゃったな。昔はもうちょっとだけ余裕があったんですけどね。今は桜を見ることによって、いろんなことが甦って来たり、いろんな記憶が甦って来たり、胸が苦しくなったり張り裂けそうになったりするけど。でも、僕はそうなった時に音楽というものにその感情をスライドさせてみたりとか、生け花もいいと思うし、詞を書くってことでも、絵を描くでもいいんですけど。モノを作る方向へと、張り裂けそうな感情をすべてスライドさせて、何か表現に変えていく。そういうことがお仕事としてあるのでね。僕はそういうふうにそういう感情とは向き合って付き合ってたりしますが」

「僕が若かりし頃に書いた『ソメイヨシノ』」について

「今から『ソメイヨシノ』（2006年、ENDLICHERI☆ENDLICHERI名義）って曲を聴いて頂きますが、この曲は発売当初もよく言っていたんですが、子供心に衝撃だったんですよね。母親が『あと何回あんたと桜見れるのかな』とひと言呟いたのが、とても苦しかったんですよね。そんなことを当時はあんまり考えてなかったから。ああ、母親も天に昇るのか、というね。いつか別れが来るんだ、みたいなことを何かこう、強烈に感じて苦しくなっちゃったんですよね。それで、『ソメイヨシノ』っていうタイトルで曲を書いた。母親も、桜というタイムマシーンに乗っておじいちゃんおばあちゃんのことを思い出しているのかな、とか。おじいちゃん・おばあちゃんのことを思い出す＝今この瞬間母は子供になっているんだろうな、とか。いろんなことを考えて『ソメイヨシノ』って曲を作ったんですよね」

「RAIN」をBGMに震災被災者からの質問に答える

剛は福島での（比較的軽度の）震災被災者からのメッセージを紹介した。主な内容は「言葉を発することについて、福島県出身ですと言うと、ほぼほぼの人が『震災は大丈夫だったの？』と聞いてきますが、剛さんはどう思いますか？」「そうやって聞いてくる人は相手が『大丈夫』だと言ってくる用意しかしていないように思います」「発言には責任を持って欲しい」「剛さんの新しい歌を楽しみにしています」だった。このメッセージに対して、剛はまず「僕の新しい歌ですね　今いろいろ作ってますので、しばし待っていてください」と述べたうえで、質問に丁寧に答えた。

「発言というものに責任を持って生きるべきっていうのは、これはもう誰もが持たなければいけないなと思うんですね。そのひと言がその人の人生を狂わせたりとかすることだってあるんですよね。こんな言葉をよくも言えるなっていう体験をこの時期すごく僕はしてましたからね。人じゃないな、悪魔やなって思ったり、人って怖いなって思ったりする。そういう発言をする人がいましたからね。だから、僕は怖かったですよ。いろんな人の優しさのない言葉と感情が。自分が本心でとか本気でいろんなことを心配したりとか、大丈夫なんかなあなんて思って考えている僕のほうが、『あいつは何正義ぶってんだ』みたいにみる人もいたりとか。震災があった時に、それをビジネスに変えた人もいますしね。いろんな人がいるでしょ。で、人がどうなろうが、何とも思わない人も世の中にいっぱいいるんだなということを勉強したかな。逆に言えば」

「震災の話をする時に、みんなデリケートに考えていろんな発言をしてこられてると思うんですけど、そのデリケートとかっていうことも一切抜きにして、一度みんなが思うこととかを議論する時間があってもいいのかな、と僕は思うんですけど。そのほうがみんなにとっていいんじゃないかなって。いろんなことがもっと見えてくるような気がする。『そんなこと言って。自分はそんな経験してないから言えるねん』　『そうなんです、経験してないからきっと言えたんです』、という話も必要なのかな」

「福島の郡山は姉妹都市ですし、奈良の。震災を経験されて『神や仏なんているはずがない』というような発言をされた方もいらっしゃいましたけど、そういうふうなことを発言したくなるほどの経験をされたわけですからね。奈良から東北のほうに出向いて、お坊さんと一緒にチャリティーしてとか、そういうようないろんな話に携わって、みんな何かやろうとしてるんですけど。それがありがた迷惑なのかもしれないし、ためになったのかもしれないしっていうのも、難しいとこですよね。こういったお話は、しようと思えばもうずっとできるし。なぜならば、幾通りもの答えがあるような話でもあるし、幾通りも答えがないような話でもあるのでね」

「今日と言う日を改めて考えたり感じる、タイムトリップして、あの頃のいろいろなものを1ページ1ページめくり直してみて、気づくことがある。だからこそ、そこに立ち戻ってみようとする人もいるし、忘れたくて戻りたくない人もいる。だから今僕がこうやって話していることが、すごくノイズに聴こえる人もいれば、そうかって聞いてくれる人もいる。「YESかNOかではなくて、YESでもあるしNOでもあるというような。NOでもないしYESでもない。そういうような感覚で物事とか題材を考えていかないと未来は本当にないなと。YESです、NOですと言ってると、ずっと対立しているから」

「『新しい歌を楽しみにしています』と言ってくださってるんで。いろいろ頑張って書いてますんで。どういうように最終的に落とし込むかは今いろいろ悩んでるところではあるんですけどね。今はどっちかっていうというと、すごい変な歌を書いているんで（笑）。僕にとっては全く変ではないんですけど。一見、『何なん、その歌？』ってたぶん言われるとは思いますが」

「永遠の命っていうものを手に入れる時っていうのが、僕らもしかしたら来るかもしれないのでね。それも命の話なんで。その時に僕たちが失うものを考えたりとかね。何かを手に入れたことによって、『これ用ないな』って、感情をどんどん捨てていったりとかね。あるいは言葉っていうものが、発言っていうものが、これだけ人に影響するのであれば、人を傷つけるのであれば、もう言葉やめましょうっていう。そういうふうに進化していく生命体になり得るかもしれないとかね。じゃあ何が残るんだろう。テレパシーみたいなものがもう一度うずき始めて、そこの才能が開花して、言葉を捨ててテレパシーで話しだすかも。そんなことを考えたくなるくらい、言葉めんどくさかったり、言葉に疲れてる時代かなとは思います。誰もが発言できるようになっちゃったからね」

番組の最後に剛は、東日本大震災の約1カ月後にリリースしたバラード曲の「縁を結いて」（2011年4月）をかけた。これも名曲の１つだ。

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*堂本剛のソロプロジェクトENDRECHERIの2019年9月25日発売の「ENDRECHERI TSUYOSHI DOMOTO LIVE TOUR 2018」Blu-ray/DVDはBlu-ray・DVDそれぞれに初回仕様と通常仕様がある。収録内容は全仕様共通で、アンコールのセッションを含む17曲と、約52分間のドキュメンタリー映像「DOCUMENTARY of ENDRECHERI in 2018」を収録。初回仕様（Blu-ray・DVD共通）には28Pブックレットを封入。通常仕様（Blu-ray・DVD共通）には折りポスターを封入。店舗により、先着特典として全仕様共通でSankakuピックが付く。