堂本剛、特殊なレコーディング方法、ENDRECHERIの理由、追加公演の可能性を語る: ランダムビュー

堂本剛、特殊なレコーディング方法、ENDRECHERIの理由、追加公演の可能性を語る

2018年04月29日

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4月28日のbayfm78「堂本剛とFashion & Music Book」で、堂本剛は5月2日発売のENDRECHERI名義でのアルバム「HYBRID FUNK」のレコーディングの際に、幾つかの曲は完全なプリプロ（pre-preduction）音源を作らず、いきなりスタジオで説明して音を合わせてレコーディングという方法をとったことを明かした。

剛はかつてENDLICHERI☆ENDLICHERIのプロジェクトをやっていた時、堂本剛ではなく別名のほうが根付いていくのを問題視する声が増え、争いごとが嫌いだったから譲歩してやめた、という顛末を明かした。しかし、剛はまたエンドリケリーをやりたくなり、今回はREBORNという意味も込めて、ENDRECHERIという綴りを用いた。「HYBRID FUNK」は、新しい何かを求め、参加ミュージシャンが自己を開放して作ったアルバムだ。

ライブツアーのチケットの一般販売は4月30日（月祝）の午前10時。会場ごとに電話番号が異なる。詳細は剛のソロ活動の公式サイトにある。また、追加公演や違う形でのライブも現在検討中という。

剛の周りに集まる人は一見変わっているが喋ると普通

最初に剛は、リスナーのメール相談を受けて、自分の周りに集まってくる人のタイプを話した。「僕の周りに集まってくれる人は、一見変わってるけど、喋ると普通って人が多いんですよ。何や、真面目やん、みたいな。礼儀正しいですね、みたいなイメージなんですけど」

剛は異性に気に入られたい時の心理作戦を話した。「変な心理戦で、ご飯を食べに行った時に、異性にいいなと思って欲しかったら、対角線上に座ると、何か気になるラインに入るらしいですよ。好印象になるみたいですね」

ここで剛は、5月2日発売のアルバム「HYBRID FUNK」収録の「去な宇宙(いなスペース)」をかけた。レゲエっぽい要素が入っていて、メロディーは哀愁があって情緒的だ。

アルバム制作：完成したプリプロ音源なしにいきなりレコーディングした曲も

剛はニューアルバム「HYBRID FUNK」の収録曲のうち、通常のプリプロ（pre-preduction）音源を完全に準備しないでレコーディングに臨んだ曲をについて話した。

「『HYBRID FUNK』『MusiClimber』『去な宇宙』『YOUR MOTHER SHIP』『背に生えたクリスタル』とかぐらいかな。『Crystal light』とかもその域に入るかな」

「本来は、デモテープ、プリプロ（pre-preduction）音源というものを作って、スタジオに入る前にアーティストに配りまして、『こういう曲を何日にスタジオで録音します』っていうのが大体普通なんですよ。それを聴いて頂いて、その時には譜面も渡っていて、ちょっと予習をしてもらうってことなんですよね。それでスタジオに入るんですけど。こういうエフェクターとこの機材とこの楽器があればいいかな、とみんないろいろ思いながらスタジオに足を運んで頂くっていう形になるんですけれども」

「今言った曲が特にですね、デモテープって言うか、プリプロ音源を聴いてもらってない状況って言うんですかね。で、スタジオで『ちょっとオレ作ったやつ、これやねんけど』って、軽いモチーフをみんなで一斉に聴いてもらって、それで口頭で『こんな音色で、こんなイメージで』みたいな説明して。その説明の後、『取りあえず一回音鳴らしましょう』って言って、鳴らしてもらって。『じゃ、録りましょうか』って言って録るってやり方をやってるんですけど」

「これは、わざとそうしたんじゃなくって、勝手にそうなっちゃったんですけど。というのも、頭の中で音鳴ってるけど、それを全部プリプロ音源に入れてしまったら、そのイメージになっちゃうなっていうのがあって。なんで、すごくざっくりした、ドラムパターンとか、ベースのリフとかベースのパターンとかっていうもの。ほぼそれぐらいしか聴こえないんじゃないかなっていうもの。あとは、コード感出すためにキーボードは弾いてますけどっていう状況のものを、スタジオに持って行って」

「『HYBRID FUNK』っていう曲は特にですね。『せーの』って言って取りあえずやって、ボーカルのメロディーもそうだし、リリックもそうですけど、みんな何が鳴るのか分からない状況で取りあえず弾き始めるっていう。弾いてたら僕が歌い出して、歌が終わって、エンディングに向かって終わったって感じの曲なんですよ」

「今回そういう録り方をしたのが多かったなあという印象ですかね。それの甲斐もあって、何か分からないんですけどっていう枕詞がつくような曲がいっぱいできたなってイメージなんですよ。狙って作ったわけではなくて、当日みんなとあーだこーだ話しながら。で、結果できたのがこれっていう感じですかね」

「『こういうものを作りますよ、今日』っていう制限をとにかくかけずに作りたかったっていう感じもちょっとありまして。自分で家で打ち込んで持って行くことも可能でしたけど、それをやりすぎるということが、ちょっと今回は違うなと」

前回エンドリケリーをやめた理由

剛はENDLICHERI☆ENDLICHERIのプロジェクトを何故やめなければならなくなったかを明かした。要は、堂本剛ではなく別名のほうが根付いていくのを問題視する声が増え、争いごとが嫌いだったから譲歩した、という顛末だった。

「というのも、やっぱり今までね、『ENDLICHERI☆ENDLICHERI』当初始めて、僕はずっとやるつもりでしたけれども。オーディエンスのみなさんは『ENDLICHERI☆ENDLICHERI』というものを楽しんでくれていた。僕のイメージの中では夢の国に行くイメージで、一歩そこに入れば『ENDLICHERI☆ENDLICHERI』という世界が広がっていて、そこにはそこの日常というか、時間の流れがあってという。そういうイメージで、みんなが楽しむっていう。ただ、そこの場所に行けばそれが始まるというようなイメージだったんですけど」

「でも、現場にいない人であればあるほど、『堂本剛という人間はどこに行ったんだ？』という問いかけが、結構増えまして。『いや、ここにいますよ』だったり、『MCでは堂本剛ですと言ってるんで大丈夫ですよ』と言ったんですけど」

「オーディエンスのみなさんが『ケリー』と呼んでくれる現象だったり、『続いてはENDLICHERI☆ENDLICHERI様です』っていうふうにご紹介して頂く現象だったり。いろんなことが何か不安を与えてしまったような感じがありまして。これだけみんな楽しんでるから、別に不安がることでもないし、みんな堂本剛っていうことを分かって見ているわけですから、何を言うてるのかなと思ったんですけれども」

「だから、『分かりました。じゃあこういうのどうでしょう？』僕は争いが嫌いなんで、寄り添うという方法をとったり。その不安とか疑問に対して、寄り添う優しさをとった結果、得た仲間・得た世界ももちろんありますから、別に後悔はしていないんですけど。ちょっとだけ悔いは残ってるって感じはありますけど」

やっぱりエンドリケリーをやりたくなった

剛はエンドリケリーを再びやりたくなった理由を話した。「そんな中で、やっぱりエンドリケリーっていうものですよね、やりたいなと。というのも、第三者に対しではなくて、やっぱり自分自身に対して優しさを与えたいなという気持ちがすごく強まっていた時期にアルバムを作り出したんで。かと言って、横柄な態度になるとか、我儘っていう状況につながるという意味の自分に対して優しさを与えたいという発言ではなく、ただ単純に自分の声聞いてあげたいな、というところです」

「そんな中で、レーベルの人たちにも相談して、『エンドリケリーもう一回やりたいんですけど、どう思います？』って言ったら、『いいと思うよ』って。『あの世界好きやったよ』とか『やればいいやん』『すごくいいんじゃない。今やればいいと思うよ』いろんな意見を頂いて。いつもずっと近くにいる人、その遍歴を見てきた人が、みんな『やればいいやん』って言っているんで。じゃあやっぱりエンドリケリーやろうと思って」

（ちなみに筆者のENDLICHERI☆ENDLICHERI時代の剛のアルバム楽曲についての感想・考察は2018年5月1日付「堂本剛のENDLICHERI☆ENDLICHERIプロジェクトの復習」を参照）

綴りをENDRECHERIに変えた意図

「それで、今までのこと一回終わらせて。で、REBORN。新しく生まれ変わるRE。スペルをLIからREに変えて、みんながニックネームとして呼んでくれた『ケリー』。ということで、ENDRECHERIってスペルを変えて。もう一度その夢の場所みたいなもの。夢というか現実的な場所では、僕はあるけど。自分を解放できたり、関わる人たち全てが開放されるような場所。そのエンドリケリーをもう一度作ろうと。で、ちょっとひねって作ったわけです」

「過去にENDLICHERI☆ENDLICHERIという場所で作っていない楽曲とかも、好きな曲いっぱいあるんで。その曲をリアレンジして、それこそRE。スペルを変えてENDRECHERIの世界でまたリリースすることも可能になるしなとか、いろんなことを思っています」

盟友のギタリスト・竹内友康氏に初めてアレンジを依頼した曲

剛は長年バンドのギタリストを務めてきた竹内友康氏に初めてアレンジを依頼した曲があると明かした。

「今回竹内友康さんがね、『ちょっとアレンジお願いしたいんですけど、いいですか？』って言ったら、僕には直接的には言ってないですけど、『これだけ付き合いが長い中で、初めてアレンジを任された』ってすごいテンション上がって」

「で、竹内君にプリプロの音源を渡して、『こういうイメージなんですけど』って言って。そしたら、竹内君がプリプロした音源が戻って来て。であーだこーだ言いながら。『ちょっとここにブレイク入れたい』『ここメロウなコード入れたい』とかいろんな話をその場でして、その場で変更点を作って」

「で、全てのミュージシャンが集まって、譜面を配って。で、『これでお願いします』って言って。これも『せーの』でやって、1回で終わりましたね。実験的に何テイクかはやるんですよ。PM、テンポ。これぐらいのBPMがいいかな、といろいろ探って。でも結局、『これでいいよね』と言いながら。ボーカルも演奏も『せーの』で録ってしまって、『ハイ終わり』、みたいな。コーラスも一発で録ろうかなと思って。コーラスも頭からずーっとずーと歌って。一発で録って。『よかったです。お疲れ様でした』　竹内君もすごく喜んでましたね。『カッコいいのできた』って言って」

新しい何かを求め、自己を開放

「僕も竹内君にね、初めてアレンジ頼んだんで。そういう新しい何かを求めてたっていうのも事実だったり。自分の開放っていう意味も、このENDRECHERIには込めてるけど。他者ですよね。関わってくれる人も開放的に。普段の現場ではできないことをエンドリケリーという場所ではできるっていう。そういう思いでやって頂ければ、とても幸せだななんて思いながら。このENDRECHERIの場所を通して久しぶりに再会するミュージシャンがいたりとかね。いろんな時間を過ごさせてもらいました。とにかく、みんなが自己の開放をして作り合ったアルバムだなという」

「この『YOUR MOTHER SHIP』という曲、竹内君がアレンジに関わってくださった。この曲も、本当に、みんなが開放的にやっているというイメージ、印象がとても強い。その時のムードが音に入ったな、という感じです」

「細かく言うとね、やっぱりマスタリングという作業をすると、天井が崩れたり、空間がちょっとちっちゃくなっちゃうから。どうしても、ファイナルミックスに残ってる人と人の一人ひとりの空気感ていうのが若干違っちゃうんですけどね。なるべくそこが残るようにってマスタリングしてもらいました」

ここで剛は「YOUR MOTHER SHIP」をかけた。カッコよくちょっとスノビッシュなファンクで、自由・開放的な感じの音の動きがある。ボーカルの剛の声はセクシーなところもある。

ライブ予定（一般発売は4月30日午前10時）と追加公演の可能性

剛は改めて、「堂本剛のプロジェクト・ENDRECHERIのアルバム『HYBRID FUNK』は5月2日に発売」と語り、現時点での下記のライブの予定を確認し、「詳しくはWebページのほうで確認して頂いたりしながら」と述べた。剛のENDRECHERIの公式サイトによると、一般発売は4月30日（月祝）の午前10時で、会場によって電話番号が異なる。

ライブ日程：5月の15・16日が大阪のZepp Osaka Bayside、5月21・22日が東京のZeppDiverCity、6月7・8日が東京のNHKホール、6月18・19日が大阪のフェスティバルホール、6月28・29が名古屋国際会議場センチュリーホール

さらに剛は、追加公演や別のライブも検討中であると明かした。「僕自身はもうちょっと回りたいな、なんて思ってるんですけれども」

「自分一人の空間ライブとなると、たとえ自分のその日のですね、耳の状況があまり良くないな、だったとしても、そもそも構成するライブのセットリストが、そこを気遣った上でのアレンジだったり音作りっていうことで始まるので。そんなに心配することないかなと思っているんですけれどもね」

「自分がギターと一緒に歌を歌えるかとか、そういうレベルの話はちょっと出ちゃうかもしれませんけど。だったら、アンコールはギターだけ弾くけど歌は歌わないとか、そういうような状況をとったりすれば。ファンク・ショーをやるという上では、大して何も考えることはないかなと思ってるんでね」

「お医者さんも『回数重ねてやったほうがいいよ』みたいなお話もあったんで。もしかしたらそういう追加公演という状況が出てくるかもしれませんし、また違う形でのライブだったりね、そういうものもあるかもしれません。今ははっきりと決定してないからはっきり言えないというだけで、でもおそらくいろいろありますという感じでね。みなさん楽しみにしてもらえたらいいなというふうに思っております」

最後に剛はアルバムの表題曲の「HYBRID FUNK」をかけた。ボーカル、エフェクターのきいたギター、ベースがカッコいい。エレピは飾らず情緒的だ。

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*堂本剛のソロプロジェクトENDRECHERIの2019年9月25日発売の「ENDRECHERI TSUYOSHI DOMOTO LIVE TOUR 2018」Blu-ray/DVDはBlu-ray・DVDそれぞれに初回仕様と通常仕様がある。収録内容は全仕様共通で、アンコールのセッションを含む17曲と、約52分間のドキュメンタリー映像「DOCUMENTARY of ENDRECHERI in 2018」を収録。初回仕様（Blu-ray・DVD共通）には28Pブックレットを封入。通常仕様（Blu-ray・DVD共通）には折りポスターを封入。店舗により、先着特典として全仕様共通でSankakuピックが付く。