堂本剛、アルバム「HYBRID FUNK」制作でのこだわり、一番好きな曲への想いを語る、聴くと苦しい曲を歌いたくなる: ランダムビュー

堂本剛、アルバム「HYBRID FUNK」制作でのこだわり、一番好きな曲への想いを語る、聴くと苦しい曲を歌いたくなる

2018年05月20日

ジャニーズ KinKi Kids 堂本剛 ENDRECHERI HYBRID FUNK 堂本剛とFashion & Music Book 堂本剛ラジオシンジルとウラギル

5月19日のbayfm78「堂本剛とFashion & Music Book」で堂本剛は故郷奈良の77歳の写真家が出版した写真集「神饌供えるこころ」を紹介し、リスナーから寄せられた5月2日発売のENDRECHERI名義のアルバム「HYBRID FUNK」の感想を紹介し、質問に答えた。

このアルバムでは、敢えてノイズも含めて音に残し、少し雑な感じに仕上げているそうだ。また、J-POPではベース音を小さくするのが慣例だが、剛は自分がベースが好きなこともあり、自分が思うようにベースの音がよく響くような仕上がりにした。

剛はファンクへのこだわりを語りつつも、通常盤収録曲のソウルバラードの「シンジルとウラギル」が、「一番好きって言ってもいいなっていうか。一番自分っていうものが、素で鳴ってる感じ」との想いを述べた。

神饌（しんせん）タケノコと写真集「神饌供えるこころ」

剛は奈良の春日大社のタケノコと、奈良の「神饌」の写真集を紹介した。「奈良の宇陀（うだ）の道の駅で4月の下旬頃から神饌（しんせん）タケノコっていうのを販売しているそうで。春日大社さんの境内の裏山で獲れたタケノコ。春日原生林かお山で獲れたタケノコということなんですね。売上のお金は神社に奉納するんですって。で、運営したり、社殿の修復に充てられるということなんですけど。いい流れ作られてるなという感じがしますよね。

そんな神饌というところで、いわゆるお祭りであったり、祭事・神事があった時に神様にお供えするものなんですけど。特別な素材を使ったり奈良の年中行事を追う写真家の野本暉房（のもと・てるふさ）さんが20年近く撮りためた「神饌」の写真集（「神饌供えるこころ」）を4月に出されたんです」

「昨日僕パーカッショニストのスティーブと会ったんですけど、スティーブも奈良人なんでね。もう無言で僕の目線に入るところにこの「神饌」っていう本を置いていまして。すごい手の込んだ、もうアートですね。色づかいもそうですし、図形もそうですし。何よりも人々が神様にお供えするものということで、そこに集中して作り上げていく。完成された美を奉納する。これは見事な。僕はもともと神饌が気になったり好きだったりするんで。めちゃめちゃ綺麗ですよ、やっぱり。これ、地方変わると全然違いますしね」

「音楽やる時も、音楽の原点って何かなということを考えてやることが大事っていうか。結局は、最初は人々に捧げるために音は始まっていないわけだから」「農作物が獲れたなとか神様ありがとうとか、そういうところから人々は音を奏でているわけであって、娯楽のために音を奏でたわけではないから」

「ご興味ある方は（写真集「神饌供えるこころ」を）調べてみてください。77歳のおじいちゃんが。職人的な感じの写真やなと思いましたけど。その人の想い入ってる。身の引き締まるような凛とした感じもあって、非常に面白い美しい本だなと思いました」

ここで剛はアルバム「HYBRID FUNK」収録の「去な宇宙（いなスペース）」をかけた。

アルバム「HYBRID FUNK」はノイズも含めて音に残している

剛はリスナーから寄せられたアルバム「HYBRID FUNK」の感想のメールを紹介した。あるリスナーがCDプレイヤーについているイコライザーの設定のお勧めのアドバイスを尋ねており、剛はマスタリングの特徴などについても丁寧に説明した。

「調整しないほうが、音源通りにはもちろん聴けますよ。もちろん聴けるんですけれども。スッキリしたのが好きっていうのは、これも現在耳というか」

「マスタリングっていう作業になった時点で、天井とか空間がなくなっちゃうから、ほんとスッキリしちゃんですね。ということは、ボーカルで言うと声の余韻とか、リバーブ、声の伸びとかね、そういうものをどんどん減衰していく。元々あったはずが、消えて行っちゃうんですよ」

「それを少しでも守るために、マスタリング・エンジニアにああだこうだ言うんですけど。大体の人、ダイナミックに音をバッと出すために、切っちゃうんですよね。でも、そこありきで料理してるんで。料理も結局、ちょっとした最後塩２つまみ。それがいなくなっちゃうんです」

「僕らはスタジオでは、ファイナルミックスっていうのを作るのは、それをちゃんと守って作っているんですけど。このあと2つまみをせめて1つまみぐらい残したいという。どうしても2つまみは残らないんです。だから、本当においしいなって料理を食べて頂くためには、やっぱり店に来て頂かないと。デリバリーだといろいろ変わっちゃうじゃないですか、熱とか味とか」

「マスタリングが悪いってことを言っているわけじゃないんですけど、どうしてもその作業を行ってCDショップに行くんで。前のがカッコ良かったのにな、と思ったりすることがすごく多いんですけど。だから、今回のアルバムは、ノイズも含めて音にしてるっていうか。雑な感じ」

「綺麗でスッキリでみたいな音でファンク聴きたっていうんであれば、それこそプリンスとか聴いてもいいと思うんですけどね。キング・オフ・ポップと言われているけれども、僕はファンクの要素がめちゃめちゃ多い人やのになと思っているマイケル・ジャクソンとかを聴くのが、いいんじゃないですか、後半のね。前半結構マイケルはマイケルでざらっとしてますけどね」

「ドイツのスピーカーで聴くのと、アメリカのスピーカーで聴くのと、音違うし。アメリカのがカラっとしてるし。ドイツのはちょっと暗い。僕はドイツのが好きですけど。そうやって自分で、スピーカーとアンプの相性なんでね」

「イコライジングもいろいろやっても面白いですけど、やってみて聴こえ方が変わるっていうことを学ぶことができますよね。そういうのを我々は、ころあいのいいところで、とどめてるんで。自分の好きなようにちょっと調整して聴いて頂くのもよしですね。お好きにして頂くのもよしですよ」

ベースの音が目立つアレンジ

58歳のリスナーが、アルバム「HYBRID FUNK」の収録曲にベースを強調したアレンジのものが多い理由を尋ねており、剛は説明した。

「単純に僕ベース好きっていうところと、ベースがね、J-POPはほんと小っちゃいです。もっとベース鳴らせばいいのにって思うけど。ボーカルがでかい、ベース小っちゃい。当たり前かもしれへんけど」

「でも、ファンクはグルーブなんで、グルーブが基本的に鳴ってないとダメなんで。
で、J-POPだったり、いろいろなことを一回無視して。やっぱファンクやりたいなって、ずっと思っているのもあるし。ずっとファンクはやってきてるけれども、自分が思っているファンクをやれる環境ではなかったりとか、やりすぎると良くないかもとか、いろんなことを思って作ってたんで」

「でも、今回はもう面倒臭くなって、いろいろ。人の言う、人が言う、人は言う。これが全部面倒臭くなったんです。自分が言うでええやんけっていうことなんです。僕がこう思ってるからこう。それをいいと思われなかったら、それはそう。それがまた人は言う、人が言うなんでね。それは、人が言っていることなんで、どうでもいい。僕が自分が作る作品なんで。僕が仲間と作る作品なんで、僕と仲間が鳴ってるべきであるっていうかね、そのアルバムの中で。ていうところで作っていったというのがありますんで」

「シンジルとウラギル」

剛は今作アルバムの通常盤収録のソウルバラードの「シンジルとウラギル」への思い入れを語った。「『シンジルとウラギル』　これだけファンク、ファンクって言ってますけど、僕も我ながら好きな曲ですね、なかなか。よくこの曲できたなみたいな感じでした」

「今世の中ですごい辛い思いして生きてる人もめちゃめちゃ多いなっていうか。僕も、この世界特殊っていうものあるんですけど、いろんな人に『相談に乗ってください』って感じで。『別に僕でよければ、はいどうぞ』って受けるんですけど。その中に、支配とか独裁とか、そういうワードが多いですね、何か聞いてると。権力とか」

「そんな中で、いろんな怒りとか、抑えきれないもどかしさみたいなものをエネルギーに変えて、今回はアルバムを作っているんですよ。だから、愛とか、愛あるがゆえのですけれども、乱暴な部分っていうんですかね、そういうなのもアルバムに取り込んでるんで。ざらっとした音質になってたりとか、きれいにまとめすぎなかったりとかっていう、そのファンクのルールを含めて、今の自分の感情とかも含めてね、表現したっていう感じですよね」

ここで剛はアルバムの表題曲の「HYBRID FUNK」をかけた。

聴くと苦しい曲を歌いたくなる

剛は聴くと苦しい曲を歌いたくなると明かした。「みんな耳のこと気にしてくれてるからさ。『これ効くと思うよ』とか、現場でいろいろくれてね、優しい。その逆もあって、いい意味で、全く気にしてへん人も。これもまた気持ちいい。みなさんもね、やっぱり自分の声っていうものは、ちゃんと聞いてあげるべき。それを叶えてあげられるのであれば、是非叶えてあげて欲しい」

「『シンジルとウラギル』という曲、僕も一番好きって言ってもいいなっていうか。一番自分っていうものが、素で鳴ってる感じかな。恥ずかしくも、僕自身もね、死にたいとかさ、逃げ出したいここからとかさ、何のために生きてんねやろ、みたいに思って生きてた日がありますから、その時の自分を思い出して。人の相談聞いた時にね、ああすごく似てるな、自分とっていう。環境とか状況がね。という流れもあって書いた曲なんで」

「自分にとっても聴くと苦しいんですけどね、でも聴くと苦しい曲ってやっぱ歌っちゃいますね。（アルバム[si:]収録の）『PINK』っていう曲も聴くと苦しいし、歌うともう本当に悲しくて仕方がなくなるんですけど。それでも歌いたくなるんですね、こういう曲って不思議と」

堂本剛　最新商品・おすすめ商品はこちら
堂本剛ソロ活動記事リスト
KinKi Kids 最新商品・おすすめ商品はこちら
KinKi Kids 記事リスト

*堂本剛のソロプロジェクトENDRECHERIの2019年9月25日発売の「ENDRECHERI TSUYOSHI DOMOTO LIVE TOUR 2018」Blu-ray/DVDはBlu-ray・DVDそれぞれに初回仕様と通常仕様がある。収録内容は全仕様共通で、アンコールのセッションを含む17曲と、約52分間のドキュメンタリー映像「DOCUMENTARY of ENDRECHERI in 2018」を収録。初回仕様（Blu-ray・DVD共通）には28Pブックレットを封入。通常仕様（Blu-ray・DVD共通）には折りポスターを封入。店舗により、先着特典として全仕様共通でSankakuピックが付く。