・#1 文春オンラインの2020年6月11日付《約束のキスしたからね》芸能プロ最大手「ワタナベエンタ常務」が所属アイドルと“わいせつセクハラ”1年
・#2 文春オンラインの2020年6月11日付「ベッドで目隠しされ裸を撮影された」アイドル告白 ワタナベエンタ常務が1年間わいせつ行為
・#3 文春オンラインの2020年6月11日付「撮影現場のトイレでズボンを脱がされて…」被害タレントが告白 ワタナベエンタ常務が《悪質セクハラ》常習1年
記事では被害者の20代の男性アイドルの名前は伏せられていたが、中性的キャラで既にグループを脱退したということで、すぐにあのアイドルグループの元メンバーの彼のことだと分かった。
彼は、打ち切りになった地上波民放の番組の曜日レギュラーだった。もっとも、最初はてっきりボーイッシュな女の子だと思っていた。男だと気づいた時、ジャニーズ以外の男性アイドルグループのメンバーが、よくレギュラーになれたな、と驚いた。
だが、彼は2019年の秋口に突然、体調不良のため活動を休止することになった。体調不良が具体的に何なのかは公表されなかったが、精神的な疲労も含む体調不良のようなニュアンスを感じた。その後彼はグループから正式に脱退した。せっかくある程度の知名度があったのに、もったいないなと思った。その後、彼の消息が分からなくなっていたと思ったら、事務所も辞めていた、と今回の文春オンラインの記事で初めて知った。
文春オンラインの記事の中で、彼は仕事が欲しかったし、芸能界で枕営業的なことが要求されるのは仕方ないと諦めていたから、嫌だったがセクハラに応じた、との旨の発言をしている。ひどい話だ。可哀想に。
芸能人に限らず、地位のある者がその地位を利用して弱い立場の者に行うセクハラは、はっきり拒絶されなければOKということは断じてない。そもそも、どこの職場でもそうだが、程度に関係なく、セクハラは被害者がセクハラだと感じればセクハラなのだ。
結局彼は、夢破れてワタナベエンターテインメントを退所し、現在はフリーだという。現況が順調でないから、余計に悔しさが増して、こうやって告発したのかな、という感じはある。その昔、別の事務所を退所した元アイドルが似たような告発をやっていたが、告発後に芸能界で大成できた例はなかった。
今回の彼は、名前が特定されてしまうと、芸能界に残っても、茨の道になりそうだ。彼は被害者だから、悪い人間を告発して窮地に追い込まれるのは、本来おかしい。だが、もはや自分が望んだ世界で未来がないとすれば、やっぱり高額の慰謝料をもらうしかない。

